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東洋の印象第一組曲(A.アマデイ作曲/中野二郎編曲) [曲目解説]

※ 第13回演奏会 第1ステージ3曲目
2018年6月10日(日) 名古屋市天白文化小劇場
指揮:大橋一輝

作曲者(1866-1935)は、イタリア軍楽隊長を務めながら、指揮者や音楽学校教授を務め、管弦楽・吹奏楽・マンドリン音楽など多分野での作品を残した。

マンドリン合奏曲として「海の組曲」が1908年のイル・プレットロ誌主催作曲コンクールで第1位を授与され特に有名である。

日本では、中野二郎氏(1902-2000)が作曲者の管弦楽・吹奏楽曲をマンドリン合奏編成へ編曲することで広く紹介された。本曲もそのうちの一曲である。

本曲は作品番号413を付与され、作品番号414の「東洋の印象第二組曲」と続けて作曲されたようである。

標題にある「東洋」とは、今日でいうアジア(東アジアから中東地域)のことではなく、現在のエジプトからアルジェリアに至る北アフリカ地域をあらわしている。

これは、19世紀後半に「オリエンタリズム(東洋趣味)」が西洋社会に広がる過程で、「西洋文明の異文化=オリエンタリズム」として当時の欧州諸国の人々の認識されていたことによる。

イタリア人である作曲者にとって身近な異文化である北アフリカ地域の情景を「東洋の印象」として描いたと考えられる。曲は以下の三楽章から成る。

1. 眺望 茫漠たるサハラ砂漠の眺めを、アラビア風の旋律にのせて描く。中間部は、砂漠の中のオアシスに集う鳥たちのさえずりのような軽やかな旋律。

2. エジプト舞姫の踊り 現在のアルジェリアに伝わる、同地の少女が成人通過儀礼として習う「アルメー」という踊り歌による舞曲。可憐な優美さをそなえた曲想が印象的。

3. 隊商 攻撃的な急速部と抒情的な旋律が交互にあらわれ、目まぐるしく展開する。

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