SSブログ

Ouverture Historique No.7 / 帰山栄治・作曲 [曲目解説]

※第10回演奏会、2015年6月20日(土)、名古屋市中村文化小劇場
第3ステージ2曲目(トリ)、指揮:大橋一輝
作曲者(1943年生まれ)は福井県大野市出身、
名古屋大学ギターマンドリンクラブで指揮者となり、
中田直宏氏に作曲を師事。

作品は、マンドリン合奏曲・ギター合奏曲を中心に、
吹奏楽曲、邦楽曲、合唱曲、劇音楽、舞踊音楽など多岐に渡る。

日本マンドリン連盟中部支部理事、東海音楽舞踊会議運営委員長。

1981年名古屋市芸術奨励賞授賞。

本曲は、東京のコンコルディア・マンドリンオーケストラの委嘱により作曲され、
2013年の同オーケストラ第41回定期演奏会で初演された。

「Ouverture Historique」はフランス語で直訳すると「歴史的序曲」となるが、
単に音楽上の序曲という単語だけでなく、
フランス語の”Ouverture”の「切り拓くこと」という意味が意識されており、
歴史を振り返りつつも未来へ進む視点をもって描かれてきた。

本曲は、2012年の愛知大学ギターアンサンブル部第50回定期演奏会で
初演されたギター合奏曲「五つの情景」の動機の一部が共通している。

「五つの情景」は、50年を表す5つの楽章に
それぞれクラブの10年ごとを表した曲であり、
作曲に当たっては2011年の東日本大震災のイメージが重ねられたという。

本曲と作曲者の従来の作品群と違いは、
調性がはっきりしていること、変拍子や難解な表現が避けられ、
比較的素直な楽想で表現されている点である。

曲は緩-急-緩-急-緩-急-緩の7つの部分からなる。

Andante lentoの序奏の後、Allegro moderatoでト短調の第一主題が提示され、
間奏の後、第2の主題がハ短調で提示される。

続くAllegro moderatoは第一主題と第二主題を用いた展開部であり、
その後、慈しみを込めたようなAndanteのエピソードを挟んで、
再びAllegroそしてPiu mossoとさらに主題が展開され、
最後に充実した響きによるPlus lentoのコーダで曲が閉じられる。


☆ ムーサの演奏(Youtubeへのリンク)

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

Facebook コメント

トラックバック 0