交響的前奏曲 / U.ボッタキアリ・作曲 / 帰山栄治・改編

※　第8回演奏会、2013年5月5日、名古屋市熱田文化小劇場
第一ステージ3曲目、指揮：大橋一輝

作曲者(1879～1944)は、
20歳のとき作曲した歌劇「影」が代表作のイタリアのオペラ作曲家で、
本作をはじめイタリア・マンドリン界の至宝ともいうべき作品を
多く残している。

本作は1915年にボローニャのIl Concerto誌から出版された作品で、
冒頭ハ長調で奏される穏やかな中でも情熱を秘めた第一主題と、
続けてやや憂いを秘めた第二主題をモチーフに、
時に情熱的に、時に幽玄に展開し、
終結部で再びハ長調に落ち着く。

師のP.マスカーニ(1863～1945)と
傾倒したR.ワーグナー(1813～1883)の作品の影響が強く見られ、
調を次々と変えながら主題を展開していく手法、
当時のイタリア・マンドリン作品では
珍しいコントラバスとマンドローネの併用や
各パートを細分化するオーケストレーション等、
単に美しい旋律だけではない強固な構成と
革新的な技法を活かした作品である。

ムーサの演奏へのリンク(youtube)