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虹彩/丸本大悟・作曲 [曲目解説]

マンドリンアンサンブル・ムーサ第9回演奏会
2014年6月29日(日)、名古屋市天白文化小劇場
第一ステージ2曲目、指揮:大橋一輝

作曲者は1979年大阪府生まれ、
高校時代のバンド活動を経て大学時代は
龍谷大学マンドリンオーケストラに所属し、
また京都のARTE MANDOLINISTICAにマンドラ奏者として在籍しながら
作曲活動を行っている。

主な作品として「組曲・杜の鼓動」、「AZZURRO」、「雨の世界」、
「光彩」(第2回大阪国際マンドリンコンクール&フェスティバル作曲部門3位)、
「花の讃歌」などの合奏作品のほか、
多くのアンサンブル・独奏作品があり、
特に自身がマンドラ奏者であることから、
マンドラのための独奏・アンサンブル作品は数多い。

本曲は2006年の京都教育大学マンドリンクラブ
第47回定期演奏会で初演。

序奏部とそれに続く緩-急-緩の三部形式という構成になっているが、
序奏部で本曲のモチーフを提示した後に続く接続部に
作曲者自身の前作である「雨の世界」と「光彩」のモチーフが引用されている。

この接続部から主部(第一緩徐部)にかけては、
「雨の世界」のモチーフが2度ずつ上昇していき、
「光彩」のモチーフがフォルテシモで演奏された後、
ギターソロで本曲の主題(虹の主題)が提示されるという展開になっており、
「雨が上がり、強烈な光が差し込んで、小さな虹が現われ、
やがて大空にかかる雄大な虹となり、やがて静かに消えていく」
といった情景を表している。

曲名の「虹彩」とは本来、人間の瞳の色を決定し、
目に入る光の量を調節する部分のことであるが、
作曲者はこの曲名に「虹を見た一人の人間のさまざまな心象」という意味を込めている。

したがって、曲中の息の長い旋律(作曲者は「虹スラー」と呼んでいる)などで、
自然現象としての虹が見せる様々な姿を描きつつ、
虹の姿に個人の様々な心象風景を投影した音楽となっている。

ムーサの演奏へのリンク(youtube)
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